入塾前に親が知っておくべきことは?

 

この「よくある質問」では、入塾前後によくいただく質問をまとめました。

 

よくある質問にただ答えるのではなく、「成績が上がる」「子どもが自分から勉強するようになる」情報を交えながら、令和の時代の教育において大事だと思うことを、厳選して10記事にまとめました。

  

講師歴20年、100冊以上の本を読み、1000人以上の生徒と関わってきた、塾講師の経験と知識をベースにした情報です。読んでいて耳が痛い内容もあるかもしれません。ですが、たったの10記事です。お読みいただきご家庭で実践していただければ、お子様の人生が変わり、塾に通う必要がなくなると言えるくらい価値のある情報だと自負しています。

 

入塾前の方も、後の方も、どうかお時間をお取りいただき、集中してお読みいただくことをおすすめします。

 

 

塾に通えば絶対に成績は上がるのですか?

 

保護者様からすると、わざわざお金を払って塾に通うのですから、成績は上がって当然だと思いますよね。

 

「はい、上がります!」

 

と自信をもってお答えしたいのですが、申し訳ございません。「スポーツジムに通えば、絶対に痩せますか?」の答えと同じです。

 

・本人にそもそも痩せる気がなかったり

・自宅で食事制限を継続していなかったり

・ジムで運動していても運動量が足りなかったり

 

したら痩せませんよね。

 

残念ながら、塾は通えば必ず成績を上げてくれるような魔法の場所ではありません。(もちろん「ご縁のあった全てのご家庭の成績を上げる!」という気持ちで、仕事をさせていただいていることは強くお伝えさせていただきます。)

 

勉強をして成績アップすることは、ジムに通い痩せることよりも大変です。本人のやる気、ご家庭での接し方、塾選び、お住まいの地域の学力層など、成績が上がらない原因が複数あるからです。

 

まずこの記事では、塾に通う前に解決していただきたい根本的な原因や問題をご紹介しますので、入塾前の方は参考にしてみてください。入塾後の方も改めてチェックしていただけると幸いです。

 

 

成績が上がらない根本的な原因とは?

 

1.学力は遺伝するため

2.1日の勉強時間が1時間未満

3.つくば地域の学力が全国トップレベル

 

 

1.学力は遺伝する

  

上図にもある通り、学力は遺伝します。親が300点だったのに、塾に通わせたからと言って、子どもに450点を望むのは現実的ではないということはご理解ください。

 

子どもが親の学力を超えることも、聞く話だとは思いますが、ほんの一部の話ですので、子どもに期待するのは酷です。

 

与えられた時間は平等ですが、能力は平等ではありません。

 

時間が限られる忙しい中学生が、同じ授業を聞いて、同じ部活で、同じ塾で、同じ時間家庭学習しても、「100点」の子もいれば、「60点」の子もいます。60点の子は、どうやっても100点の子に追いつけないのです。

 

こういった話は運動神経や音楽のセンスなどで考えたら、理解しやすくなりませんか?私がどんなに努力をしても、プロのアスリートやプロの歌手には追い付けません。生まれもった能力の決定的な差があるからです。

 

保護者様の期待や希望は理解できるのですが、生まれつきの能力の違い、子どもの成長の個人差や個性を認めていただかないと、塾に入れたとしても、ずっと不満な状態が続きます。

 

中学受験挑戦に関しても、同じことが言えます。受験勉強は、学校の勉強よりはるかに難しいです。学校の授業の理解が精一杯な子が受験に挑戦しても、無駄にお金と時間を使うことになる可能性が高いです。

 

そうなってしまうと誰も幸せにならないので、教育ではタブーとされる話をあえてさせていただいています。

 

誤解なさらないでいただきたいのは、あきらめてくださいという意味ではないということです。どの子にも能力に得意不得意があります。塾では得意を伸ばし、苦手を平均に近づける指導に全力を尽くします。

 

 

<生まれつき学習能力に難があるお子様への対応>

 

私の弟は知的障害で、手先が不器用なため、靴ひもを結ぶことはできません。勉強は中学2年生の理解度しかないと診断されています。その弟に中学3年生の勉強を理解しなさいというのは、「能力として」不可能な話です。

 

生まれつき学習能力に難がある子に、点数や順位を求めたり、他の子と比較したり、能力に関して怒る必要がないことは、ご理解されていると思います(怒り続けると、不登校や引きこもりになりやすいです)。

 

そして「やればできる」分野も限定されています。努力や根性が足りないという問題ではないこともご理解されていると思います(精神論で追い詰めることは、二次障害の要因となります。勉強どころではなく、社会復帰させることが課題になります)。

 

心当たりのある方は、お子様の行動や暗記力などに関し、ご家庭で不思議だと思う場面が多かったと思います。そして学校の先生からも勉強面に関して、気になることを言われていると思います。

 

1点お願いしたいことがあります。お子様の状況を隠さず、正直に伝えてください。隠されると、お子様に適切な指導が提供できず、成果が出ないどころか、逆効果になる場合があります。

 

学校でも正直にお伝えすれば、配慮して対応してくれます。少人数の学校では、細かな対応をしてくれるところもありますが、一般の学校では、細かな対応はどうしても難しいのが現状です。

  

柏倉家は勉強不足で、以上のようなことを知らなかったので、弟への関わり方が最悪でした。今考えると、「教育虐待だった。本当に弟にかわいそうなことをした。無知は罪なんだ。」と家族で反省をしています。

 

今では当時の反省から、知識をつけました。仮に5割が遺伝で決まるとしても、どうしたら残り5割が最大限輝くか、一緒に考えましょう。教育虐待のようなことは、絶対にやりませんので、安心してご相談ください。

 

 

2.毎日の勉強時間が1時間未満

 

中学生の主要5科目の授業時間は、3年間で約2000時間です(上の画像参照) 。仮に3年間毎日1時間復習したとして、1095時間(365×3)です。どんなに効率的に勉強したとしても、時間が足りません。毎日の勉強時間が1時間では成績は下がっていきます

  

苦手範囲が多い子が勉強でつまづいている間も、学校の授業は待ってくれず、どんどん進みます。学年が上がるにしたがって、勉強すべき範囲は広くなり、難しくなります。さらにそれが5科目あります。復習しなければいけない量は増え続けます。どんどん点数は取りづらくなります。

 

学習指導要領の変化にともない、学校のテストも難しくなりました。勉強の質も高めなければいけません。勉強量や勉強時間が変わらなかったら、成績は下がっていくのは当然です。

 

実際に、成績上位の中学生は、「最低でも」平日2時間、休日3時間は毎日勉強をしています(※全国の塾の先生が、学年順位10位以内の子にとったアンケートの結果 塾で自習している時間も学習時間に含む )。この数字は1日も休んでいない前提ですから、実際は毎日もっと勉強しています(風邪や、学校や家族のイベント等で勉強できない日もあるため)。

 

毎日1時間の勉強の子と比べ、小学校6年間で毎日1時間以上は多く勉強していますから。 少なく見積もっても、単純計算で中学校入学時点で「2190時間」もの差がついています。※365×6=2190 中学生の主要5科目の授業時間とほぼ同じ

 

これを中学校で追いつくとしたら、「最低でも」1日も休まず毎日6時間の勉強が1年以上必要です(実際、上位の子の学習能力と勉強効率は高いので、この時間やっても追いつけないとは思います)。部活やスマホやゲームをやっている時間はありません。

 

仮に毎日3時間勉強したとしても、2年以上必要です。その頃には、もう受験学年です。 成績アップにどれだけ時間が必要になるかは、これ以上具体的な数字を出さなくても、ご想像いただけると思います。

   

小学生から準備をしてこなかったご家庭は、つくば市の公立中学校に入ると、スタート地点が違う、走るスピードもスタミナも違う子たちとマラソンを走らなければいけないことに愕然とします。そしてそのマラソンはどんどん距離が長くなり、ペースも上がっていきます。 

 

小学校の学習内容は、中学校の何倍も簡単なので、この現実に気づきません。気づいたときには、時すでに遅しです。

 

彼らが成績を上げるには、「時間無制限」で「完璧に覚えるまで」勉強するしかないのです。だから当塾では、そういった子でも努力をすれば逆転できるよう、時間無制限・通い放題システムをとっています。

 

 

3.つくば地域の学力が全国トップレベル

 

つくば市では、平均点を取ることでさえ大変なのはご存知でしたか?

 

つくばは「日本一学力が高い」「つくばの学校に通わせるために引っ越す」という人もいるような、特殊な地域です。幼稚園から英才教育、小学生低学年から進学塾、中学受験経験者などがゴロゴロいます。

 

学力が高い子ばかりなので、中学校で平均的なレベルのテストを作ると、90点以上ばかりになります。それでは差がつかないため、先生はテスト問題を難しくせざるを得ません。

 

ただでさえ難しいテストなのにも関わらず、他地域に比べ平均点が50~100点高いのがつくばです。平均点が450点(1科目平均90点)のテストすらあります。 

 

他地域では、5教科400点以上で優等生扱いされる地域もあります。ですが、つくばで400点程度の子は普通のレベルか、学校によっては平均点以下です。私は同じ茨城県の牛久市や龍ヶ崎市でも働いていましたが、つくば市に来て、この現実を知ったときは信じられませんでした。

 

社会に出ると、自分と同じ年齢でも能力や立場の違いは、当たり前のことです。しかし、学力選抜がない公立中学校は、同じ年齢の中学生が点数だけで比較され、優劣がつけられ、劣等感を感じやすくなります。

  

学力が高い地域というのは、いい面もありますが、このように悪い面もあります。

 

小学生低学年からの入塾をおすすめしています

 

つくばの現状を我々に置き換えると、新卒1年目で入社した会社で、周りは経験者のエリートばかり、その中で同じ結果が出せなくて怒られる。このような職場で、あなたはやる気を出して働いていけますか?

 

ほとんどの方は、自信を失い、やる気がなくなるはずです。こう考えると、子どもの気持ちがより理解できませんか?

 

つまり、つくばで平均点を取れないことを怒ったり、他人と比較することは、子どもの自信を奪い、やる気をなくなせることにしかならないのです。

 

日本の教育学習システムは勉強を中心に考えるので、勉強が苦手な子を持つご家庭は、どうしてもストレスや劣等感を感じやすくなります。つくばという環境では特に。

 

ここだけの話、マウントをとるママ友も多い地域です。保護者様もこのようなや環境では、比較したくなくても周囲と比較せざるを得なくなり、子どもを怒ってしまう方も少なくありません。

 

そこで当塾は、そんなご家庭の力になりたいという思いで、塾を運営をしています。他の記事でも「小学生のうちから1日も早い入塾を」と書いていますが、こういった理由があるからです。

 

 

なぜこういう話を他塾ではしないのか?

 

ご理解いただくために、あえて極端に書きます。

 

例えば、小さい頃から勉強に手出し口出しをし、スマホ・ゲーム依存で、怒り続けた結果、勉強にやる気がなくなった合計点150点の中学3年生の子を塾に連れていったとします。

 

「どうしても成績を上げたいのであれば、部活を辞め、学校を全てお休みし、1日12時間塾に来てください。全ての講座を受講し、後の時間は自習をしてください。月謝は30万円です。」こうした話をする必要があるご家庭に、営利企業である塾が、都合の悪い現実的な部分を話すと思いますか?

 

当然都合の悪い部分はカットし、甘い言葉で営業トークをし、入塾させようとします。されたご家庭もあるのではないでしょうか?誠実な塾は、現実的に厳しいことを初回で正直に伝えます。体験で子どもが頑張れなければ、入塾を断ります。

 

「塾に入れれば、親は何もしなくても成績が上がるもの」と考えている方は、厳しい言い方になりますが、どこの塾に入れようと、お金と時間を無駄にしてしまう可能性が高いです。

 

もちろん塾に期待されているのは理解してますが、成績アップには、保護者様のご理解、ご協力は必須です。

 

子どもの教育という最高の投資に、貴重なお金と時間を使うのです。このよくある質問を何度もお読みいただき、内容を腑に落としていただくことをお勧めします。

 

 

なぜここまで現実的なことを書くのか?

 

当塾は、絶対の自信を持って仕事をさせていただいておりますが、入塾タイミングが遅かった場合や、お子様の生まれつきの学力に難がある場合は、「現実問題として、今の学力では、成績を上げることよりも、いかに下がらないようにするかの勉強になります。」とお伝えする場合があります。

 

ここまで現実的なお話をすると(他の記事も現実的です)、当塾に入塾してもらいづらくなり、退塾されるリスクがあることは分かっています。

 

それを分かっていて書いているのは、お悩みを「根本的に」解決することで、ご家庭に幸せになってもらいたいからです。ダイエットのリバウンドと同じで、問題点の根本的な解決をしないと、一時的に成績が上がっても元に戻ります。それは嫌ですよね。

 

もう1点は勉強の成績がいいからといって、幸せになるとは限らないからです(よくある質問の最後の記事に書きました)。

 

塾では、保護者様との信頼関係が大切です。結果を出すためには、塾と私を信じてもらう必要があります。そういう意味では、モンスターペアレントのご家庭は、絶対に成績は上がりません(そんな人は読んでいないと思うので、あえて書きました)。

 

私のことを信じていただくためには、あなたを信じることが先ですよね。現実的な内容を正直にお伝えしても、あなたが誤解しないで読んでくれると、私は信じています。 

 

ここまで勉強が苦手という前提で書いてきましたが、当塾には地域トップ校の生徒や、学年1位の生徒も複数在籍していましたので、どんな学力でも大歓迎です。

 

  

前置きが長くなり、申し訳ございません。他の記事もお読みいただけますと幸いです。