直接お伝えするのは角が立つ内容をお伝えします

 

この記事では、直接お伝えするのは角が立つ内容2点を、文章で書きました。ご理解いただきたい内容ですので、ぜひ1読をお願い致します。

 

1.退塾勧告や転塾を勧めたご家庭の事例

2.過熱する小学生の英語教育について

 

まずは1からお伝えします。

 

 

私がご家庭にお願いするのは、上記の資料、ホームページ内のよくある質問の2点に書かれていることの実践です。ただ読むだけではなくて、「実践」です。 

 

中学受験で並木や茗渓以上のレベルを希望、あるいは高校受験で竹園高校以上、大学受験は筑波大学以上に合格してほしいと考えているご家庭は、それらに書かれている内容の「100%実践」を目指してください。なぜなら、書かれている内容は、トップ校に合格するような成績上位のご家庭の子どもへの接し方だからです。

 

各ご家庭事情があると思うので、実践できないこともあると思います。それは仕方ありません。

 

そのときの考え方として、「大人ができないのであれば、子どもに求めない。子どもに求めるのであれば、大人が見本となる」であるべきだと思います。

 

ご家族が最大限努力して出たお子様の結果であれば、仮に望んだ結果でなくても、それがベストの結果だと受け止めることは必要です。上を見たらきりがありません。

 

  

それでも、子どもへの愛や期待ゆえ望んでしまうことは理解できます。私としても、悩んでいる保護者様の話を聞くと、「何とかしたい、力になりたい」と思います。

 

しかし、「空を飛ばせたいのに、飛べないんです!」「飛べない子を怒ってしまいます」「どうしたら飛べるようになりますか?」みたいな悩みは、塾では(というかどこの誰でも)解決できません。 

  

そのどうにもならない思いを、「なぜ塾なのに空を飛ばせることができないんですか?」とぶつけてくるご家庭が過去にありました。私も人間なので負の感情がありますし、心も削られます。「当塾ではそのご要望を叶える力がありませんので、他塾をお探しください」と言うしかありません。 

  


  

子どもから求められてないのに、学習面での手出し口出しがやめられないご家庭も、転塾をお願いする場合があります。 当塾の方針と真逆の教育のため、アクセル・ブレーキの関係になり、お子様が能動的に勉強しなくなるためです。

 

当塾は「自分から勉強するようになる」というキャッチコピーなのですが、親御さんが手出し口出しをやめられないと、自分から勉強するようになりませんということは断言しておきます。

 

中学校のテストで高得点を取るためには、以上の画像のようなレベルの勉強を「自発的に」することが求められます。小学校時代に手出し口出しで受け身に育った子は、残念ながらこの時間の勉強の負荷をかけることを嫌がります。

 

当塾は強制的な勉強を求めない指導理念(結果として子どものためにならないという考え)なので、強制されないと勉強できないお子様の成績を上げるのは厳しいです。そういう子の場合、強制力のある塾のほうが成績アップの可能性があります。だから厳しい塾への転塾をお勧めするというわけです。

 

親御さんのお子様への心配や不安のコントロールが難しいと感じられる場合、塾ではなく家庭教師をお勧めしています。家庭教師でしたら、毎回相談にのってくれますし、親御さんのお考え通りに勉強させてくれます。親御さんの精神を安定させることも、お子様の成績に大きく影響しますので、家庭教師のほうが成績が上がる可能性があります。

 

転塾したほうがいいかは、お子様の行動と言動で判断できますので、取り返しがつかなくならないよう、小6の時点でお伝えします。

 

 

【参考】トップ校に合格するご家庭の幼少期の教育

 

上は、子ども4人全員を東大に合格させた佐藤ママの本の目次です。

 

このように、0歳から18歳の大学入学までの限られた18年間にフルコミット。全力でサポートするため、 「お金」も「時間」も惜しまなかったとのことです。普通の家庭がマネをするのは不可能なレベルです。

  

子どもを中学受験や高校のトップ校に合格させている世のご家庭も、早期から徹底した教育を行っています(学力は遺伝するため、両親が高学歴であることは前提)。嫉妬されるのを避けるため、みんな隠しています(逆にマウントをとる人もいますが笑)。

 

トップ校に合格するのは、小学校で90点以上、中学校で450点以上を取り続けるような生徒

 

どういう進路を選択するのかは自由ですが、親の教育も、子どもの勉強も「蓄積」がものをいいます。もし蓄積がなかった場合、お子様がトップ校を目指して本当に幸せになるのかを現実的にお考えください。

  

トップ校は幼少期から努力を続け、中学校で450点以上を取り続けるような生徒が、合格者の半分を占めます。すでに中学入学時点で、トップ校の席は、ほぼ半分埋まっていると考えていただくと分かりやすいと思います。

 

彼らと同じ時間の努力をしたとしても、追いつけません。なぜなら彼らも同様に努力を続けるからです。1時間あたりの勉強効率も非常に高いですから、学力はどんどん離されます。追いつくためには、今すぐ習い事や部活をやめ、起きている時間の全てを勉強に充てるくらいの努力をする必要があります。

 

残り半分の席を獲得できるのは、中学入学後それくらいの努力をしてきた子です。

 

仮になんとか450点に届き、トップ校にギリギリ合格したとします。喜んではいられません。

 

狭き門をくぐり抜けた後に、待っているのはさらなる地獄です。入学後に、トップレベルの子だけが集まった学校で戦うことになるからです。劣等感を抱え続ける苦しい3年間になることは想像できると思います。

 

子どもは将来を見通せません。我々は大人なので、その選択が子どもにとって幸せなのかを現実的に考えなければ、子どもを不幸にしてしまいます。

 

決してトップを目指すことを否定しているわけではありません。トップ校を目指させるご家庭は、この位の覚悟や努力が必要という事実を受け止めてほしいということです。

 

私は魔法使いではありません。できないことはできません。

 

価値観が多様化した時代に勉強ができるからといって、幸せになるとは限りません。遊ぶことも習い事も趣味も家族の時間も大事なはずです。「親の欲や希望」よりも、一番大事な「子どもの幸せ」という観点で進路をお考えいただき、暖かくお付き合いしていただけますと幸いです。

 

2.過熱する小学生の英語教育について

 

この質問もよくされるので、私の考えをお伝えします。これから先の時代で、英語が大事であることは間違いありません。

 

ですが、世の中の英語教育が過熱気味なのは、冷静に考えたいところです。特に周囲がやっているから英語を習わせているというご家庭や、英語教育の方針の軸が固まっていないご家庭は、集中してお読みいただけると幸いです。

 

あなたは国語・算数と、英語のどちらが大事だと考えますか?私は国語・算数だと即答します(私立のグローバルコールに行きたい、海外の高校大学へ進学したい、英語を使った仕事が夢など、こだわりの強い理由は除く)。

 

国語は全ての勉強のベース、算数は論理力など脳を鍛える勉強だからです。国語・算数でつまづいていたら、学校(もっというと人生)でずっと困ることになります。

 

我々日本人は英語を勉強するときも、日本語で脳を使って考えます。英語を詰め込む前に、土台である日本語と脳を鍛えることが大事だと、学校の授業時間からも分かります。

 

上記表を見ていただくとお分かりいただける通り、小学校では、国語は1461時間、算数は1011時間勉強します。世間で大事だと言われている英語は210時間しかないので、いかに国語・算数が重要かがお分かりいただけると思います(外国語だけですと140時間ですので、国語は約10倍の時間設定されています)。 

 

仮に小6の国語と算数でつまづいていた場合、350時間(175+175)もの復習時間が必要になります。毎日1時間勉強したとして、年間365時間です。国語と算数の復習をするだけで1年かかる量なのです。

  

現場で見ている限り、英語を重視しすぎたばかりに、国語・算数の勉強時間が減り、中学入学後、国語・数学の点数が取れていないケースが意外と多いです。

 

中学生になって英語のテストの点数がいまいちだったことで、小学校の時に英語に時間を使いすぎたと後悔されているご家庭を複数見てきましたので、そうなってしまわぬようお伝えしています。

 

 

中学校の英語教育の実態

小学校時代に英語の勉強をやりすぎたら中学校で困る可能性があるという話をしましたが、先取り学習していなくても困ります。

 

上の図でも分かる通り、中学校の英語では、小学校で学ぶ600以上の単語を理解している前提で始まるからです。

 

英文法は、ユニット1でBe動詞の肯定文、疑問文、否定文。一般動詞の肯定文、疑問文、否定文、canを使った文(下の画像参照)。そして新出単語に既習単語、合わせて100個以上を書けることが前提です。

 

そこまで求めるくせに小学校では、授業時間は国語の10分の1。書く勉強が全然足りません。今の時代の英語のカリキュラムがいかに無茶なのかは、多少なりとも英語を勉強してきた我々世代なら、理解できるはずです。

 

中学校の英語のテストで点数を取るためには、何よりも「書く」練習です。

 

 

英検を持っていても中学校のテストで点数が取れない?

 

英検は英語を書く試験ではなく(記述は3級から)、記号から選ぶ試験です。中学校の英語のテストは筆記なので、求められる能力が違います。

 

小学校で英検3級(中学卒業レべル)を持っていて、始めは90点以上取れていた子でも、書く練習不足で、点数が取れなくなってくる子も多いです。

 

下の画像は、とある中学校の1年生のテストの点数分布(70点台の次に多いのが10点台、その次が90点台、その次が20点台。準備をしている子としていない子が明確に分かれています。準備しすぎても、しなさすぎても困る。これが今の中学校英語の現実です。悪いのは日本の教育制度です。)

 

ですから、当塾では中学に入ってから困らないよう、小学6年生から受験英語の勉強を始めますのでご安心ください。

 

英検を持っていると受験で有利になるという方もいますが、英検・数検・漢検を持っているからといって、県立志望の子には、ほぼ関係ありません。当日取った点数の一発勝負で、合格者の大半が決まるからです。信じられない方は、ぜひご自身で受験要綱をお調べください。

 

英検は準2級以上(高校中級レベル)で初めて、私立の推薦の受験資格が得られる程度のものです(しかも数ある受験資格の内の1つにすぎない)。 

 

  

まとめると、

 

1.英語に抵抗をなくさせたいのか?慣れさせたいのか?

2.英語のコミュニケーションで楽しませたいのか?

3.英検を取得することで自信をつけさせたいのか?

4.英語のテストの点数を取らせたいのか?

 

英語を学ばせる理由は、どれでしょうか?どこまでの英語レベルを目指されるのでしょうか?

 

当塾の目的は「4」です。4を目的とすることで、1~3が自然とついてくる感じです。

 

小学生では1,2が第一目的の場合が多いと思います。ですが、それは小学校の英語の授業で十分かもしれません。小学校の英語の授業は、それが目的だからです。学校の英語のテストを見ていただくと分かりますが、非常に易しいですから、先取りしなくても点数は取れます。

 

3が目的なのであれば、小学校では英検は4級まであれば十分だと個人的には思います。小学校の国語と算数のテストで90点以上取れていて、学校の授業を持て余す学力があれば、3級取得を目指すのもありだと思います。

 

 

英語教育について注意したいこと

 

「子どもが英語を勉強したがらないんです」というお悩みもお聞きします。そういう方は、ぜひお子様と一緒に英語の勉強をしてみてください。「なぜ将来必要と言っているのに、お父さんお母さんは勉強していないの?」と思うのが子どもの心理です。親が勉強していなかったら説得力に欠けるので、お子様の英語に興味を持ちづらいですし、英語力が高まりづらいのはご理解いただけますよね。

 

最後に補足として、英語教育について注意したいことを2つの観点から説明します。

  

1.仕事面

 

現時点で、英語を仕事で使っているの会社は「全体の2%程度」だそうです。英語は将来必要になると言われていますが、この2%が50%になるとは考えづらいです。日本は島国ということもあり、国内でお金を回す内需の国(つまり日本人相手に日本人がビジネスをして成り立っている)だからです。

  

そして日本に来る外国人は、日本語を学んできます。日本で彼らと話すのに、英語は必要ないです。そして彼らの英語はペラペラなので、日本の英語教育では仕事で彼らに太刀打ちができません。

 

通訳ができるレベルでないと、話にならない仕事も多いです。今の翻訳機は1秒で翻訳できますから、英会話を習っているレベルでは仕事になりません。

 

 

2.会話力面

 

私は大学時にオーストラリアのシドニーへ3週間、アメリカのロサンゼルスに2週間、短期留学しました。高校卒業レベルの英語力でしたが、ホストファミリーと数日で英語で日常会話ができるようになりました。英語しか使えない環境でしたので、自然と話せるようになります。

 

日本に帰り、英語を使わなくなったら、話せなくなりました。それはそうですよね。

 

日本の中学校の英語教育は受験英語になるので、日常的に英語を話していないと、話せなくなります。小学校で英会話を習っているご家庭は、学ばせた英会話を腐らせないために、「食事中は英語のみでの会話」、「外国籍のご家庭と定期的に交流する」など、英語を話す習慣を続ける必要があります。

 

最後に余談ですが、塾ではカバーしきれない部分として、今の中学英語の教科書にはQRコードがついていて、スマホ等で読み取ると、リスニングや発音の練習ができます。その点は、ご家庭でご協力いただけますと非常に助かります。

 

繰り返しになりますが、決してトップ校を目指すことや、小学生の英語教育を否定したいわけではありませんので、その点は誤解のないようにお願いいたします。世の中の一般常識が必ずしも幸せにつながっているとは限らないので、お子様の能力に合わせて、必要だと思われる部分は参考にしていただけますと幸いです。